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■ 思春期の不正性器出血 −貧血なければ経過観察−2004. 2. 17

Cさんは現在高校1年生、中学2年にはじめて生理があったがずっと不順で2週間以上続いたり、生理痛がひどかったりする。学校を休むことも多く、困って近所の産婦人科医に相談した。 一般に思春期女性の不正出血の殆どの原因は無排卵性の機能性出血であり、器質的疾患は少ない。思春期では初経から数年は無排卵周期から排卵周期への移行期間となる。多くの場合、約2年間で排卵周期に至るが、極端な周期の短縮または7日以上持続する出血は異常出血と考えて対処する。原因は他に血液疾患、妊娠関連、感染症、外傷、高アンドロゲン血症関連があり除外する必要がある。一般に思春期患者の受診の際、急迫した症状がある場合以外、すぐに内診を行うことは少なく、まず視診のみにとどめ、膀胱充満法による超音波検査、妊娠反応、ホルモン検査、血液検査などを行う。不正性器出血が本人にとって容認でき、貧血がなければ経過観察でよい。Cさんにように学校を休むようでは思春期女性としてのQOL(生活の質)に影響があり、治療する。治療は短期的補正か数ヶ月単位の中期的調整かを選択する。いずれの場合でもホルモンによる出血のコントロールをおこなう。中期的調整では避妊用に用いられる低用量ピルがホルモン量も最少量で、後に影響を残さない点で最適である。両親は時として本治療に難色を示すが、女性はピルを避妊以外に、にきびの防止、月経困難症の軽減、月経量の減少、月経の整順化を目的として使うこともできることを理解してもらう必要がある。

日本経済新聞 2004年2月17日夕刊掲載