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■ 妊娠初期の出血 −流産の可能性、早期に受診を−2003. 11. 25

Bさんは28歳の主婦で、規則正しくきていた月経が2週間遅れた。自宅で妊娠反応をしてみたら陽性だったが、その後少量の出血があり下腹痛もがあった。心配になり産婦人科受診した。
妊娠中の20週以前の出血は30-40%に見られる。しかし、流産、子宮外妊娠、胞状奇胎などの初期症状として見られることもあり、妊娠の早い段階で産婦人科を受診することが重要だ。一般に妊娠反応は妊娠4週で陽性を示し、超音波検査では5週で胎嚢を観察し、6週からは胎児および胎児心拍動を観察できる。5週以降で胎嚢が観察されなければ異常妊娠をある程度想定した経過観察になる。週数が不確定の場合は妊娠反応から最低週数を割り出す。流産は、胎嚢が確認されてからの場合が多く、初期で胎嚢が観察されなければ子宮外妊娠を疑う。Bさんの場合、胎嚢の発育が止まり、7週で胎児新拍動は確認できない時点で流産の可能性が高かったが、症状がでなかったので子宮内容の自然排出を待っていた。8週の時点で排出がなかったので子宮内容清掃術を行った。一般に流産を止める有効な治療はなく自然経過を待つのが基本である。Bさん心待ちにしていた妊娠で、精神的にはつらかったが、流産は全妊娠の15%程度におこり、原因の半分以上は胎児にあり、母親に責任がないこと、1回の流産が2回目以降の妊娠に影響を与える可能性が低いことなどについて医師から説明を受け、次の機会に望みを託すことにした。

日本経済新聞 2003年11月25日夕刊掲載