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■ 閉経後の腰痛 −骨粗鬆症検診の受診を− | 2003. 10. 7 |
主婦C子さんは現在57歳、50歳に生理が止まった。腰のあたりがじくじく痛く、最近、ちょっとした弾みでかるく手をついたときに骨折した。整形外科で治療したが、レントゲンで骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の疑いがあるので骨塩量の検査をするようにいわれた。 骨粗鬆症は閉経後女性に多く、女性ホルモン低下に伴って骨の代謝回転が速くなり、骨産生と吸収のバランスが崩れ、骨塩量が低下するために起こる。高齢女性の骨折の主因、寝たきりになる場合も多い。一般に痩せ型、閉経が早い、手術で卵巣を摘出した場合に起こりやすい。骨粗鬆症を予防し、早めに治療することはQOL(生活の質)を維持するため重要だ。予防にはカルシウムを十分に多くとることや適度の運動に心がけるべきだ。治療は産婦人科、整形外科,内科で行われる。A子さんは骨塩量検査とレントゲン検査で骨粗鬆症と診断された。各種治療があるが現時点で最も有効なのはホルモン補充療法かまたはビスフォスネート製剤の治療だ。女性ホルモンは他に更年期障害、鬱状態、不眠、膣萎縮などに複合的に有効だ。ビスフォスフォネート製剤は骨粗鬆症治療のみを目的とする。どちらの治療するかは患者の選択になる。Aさんは治療により骨塩量が1年で5%増加し、治療継続中だ。最近、閉経婦人を対象に骨粗鬆症検診が各自治体で行われており、閉経後婦人はぜひうけるべきだ。 日本経済新聞 2003年10月7日夕刊掲載 |