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■ 避妊具の破損 −緊急避妊ピルで対処を− | 2003. 8. 12 |
OLのBさん(19)にはつきあって2年になる彼氏がいる。頻繁にデートしてるが結婚までは考えていない。避妊にはコンドームを使っている。先日使用時に破れていたのに気がつきあわてて近所の産婦人科に相談したところ、幸いにも緊急避妊法を教えてくれた。 現在日本の若い女性の間ではコンドームによる避妊法がもっとも多く用いられている。ただ避妊の失敗率は年間14%と決して信頼のできる避妊法ではない。破損したり抜けたりすることがあり、産婦人科への緊急避妊に関する相談は意外に多い。こうした場合72時間以内に緊急避妊用の中用量ピル(避妊用の低用量ピルではない)を2錠服用、その12時間後にもう一度2錠服用する。一般に排卵日の妊娠率は25%とされているが、この方法で2−3%に抑えられる。緊急避妊法は年齢を問わず女性が心得ておくべき知識だ。もちろん通常はより完全な避妊法を用いるべきだ。欧米では若い女性の場合、低用量ピルによる避妊が一般的で日本でも普及しつつある。日本では男性依存の避妊に頼るあまり、女性の望まない妊娠が減らないが、低用量ピルにより、女性自らの意思で避妊できる選択肢がふえたことになる。一方コンドームは避妊法としては理想的ではないが、性感染症の予防には有効だ。女性は低用量ピルによって望まない妊娠を防ぐことができ、コンドームによって性感染症から身を守れるという知識を持っていたい。 日本経済新聞 2003年8月12日 夕刊掲載 |