[戻る]
■ ほてり・いらいら −閉経時に症状、ホルモン補充−2003. 6. 17

主婦のAさん(52)はここ半年ほど生理不順で、不正出血もときどきある。1年ほど前からほてりが表れたが「更年期かな」と思って見過ごしていた。ところが最近、ほてりの回数が増え、夜には眠れなく、どきどきしたり、物覚えも悪くなり、落ち込んでいる。子宮がんが心配なこともあり、検診も兼ねて産婦人科医を訪ねた。
一般に女性の約半数は閉経のころにこのような症状を覚える。ほてりの回数が多く、不眠やいらいらなどの随伴症状が強まって仕事や家事にさしつかえると、治療の対象になる。ほてりや冷や汗などがない場合は他の内科疾患や自律神経失調症、うつ状態なども考えられる。ほてりは女性ホルモンの低下に伴って、血圧や体温、ホルモンなどの調節をつかさどる視床下部に異常が生じて起こる。通常は1日5−10回程度で1回の長さは1−3分程度だが、回数が多いと不眠の原因となり、随伴症状が強く出る。ほぼ1−3年で自然軽快する。偽薬がある程度有効なことから、精神的背景もある。治療はホルモンの補充が基本で、漢方薬や向精神薬も用いられる。Aさんは子宮頸がんや体がんの検査で異常はなく、医師から1年程度をめどにホルモン補充を薦められた。治療を受けるとほてりの回数が減り、夜もよく眠れるようになり、他の症状も軽くなった。ホルモン補充の継続期間や今後の治療は症状を見ながら医師と相談する予定だ。

日本経済新聞 2003年6月17日 夕刊掲載