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■ 月経前緊張症 −生活改善とリラックス大切− | 2003. 4. 15 |
責任感が強く、仕事もきちょうめんにこなすOLのAさん、最近、月経1週間前になると安打。と落ち込みがちで、疲れやすくなり、仕事にも差しさわりがでてきた。月経が始まるとよくなる。仕事仲間にも言えないし、同僚の女性にも理解してもらえず「仮病でサボっている」と思われるのではないかと不安だ。何とかしたいが何科に受診したらよいかわからない。月経前緊張症候群は女性特有の疾患で、月経前にいらいらしたり、落ち着かない、憂鬱、下腹部膨隆感、腰痛、頭、乳房痛などの症状があり、月経が始まると消える。こうした症状は大なり小なり見られるが、日々の生活の質(QOL)が低下する原因となるようなら、疾患として対処する。治療は生活改善と「選択的セロトニン再吸収阻害剤(SSRI)という薬の投与が中心となる。具体的には@コーヒーを飲むのを控えるA喫煙をやめるB生活に運動を取り入れるC栄養に気をつけ、規則正しい生活をするD睡眠をきっちりとるEリラックスしてものごとを前向きに考えるーなどが大切だ。女性ホルモン剤は多くの場合効かない。受診は産婦人科か精神科がお薦めだ。Aさんは何人かの医師の診察を受けた後、専門医にかかって指導と治療を受け、仕事ができるようになった。 日本経済新聞 2003年4月15日 夕刊掲載 |