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■ 月経痛 | 2007. 5. 22 |
OLのBさんは31歳、最近2−3年、月経痛が徐々に強くなり、市販の鎮痛剤を服用しても効き目がない。最近では仕事に差し支えるようになった。産婦人医を受診しても異常ないといわれる。何とかならないかと別の産婦人科を受診した。 女性にとって月経は性機能のバロメーターとして重要だが、時として苦痛を伴い、仕事に影響が出ることもある。月経痛の原因には子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などがあるが、思春期、更年期、あるいは軽い卵巣機能不全など、器質的疾患がなくても起こる。月経痛があると責任の重い仕事を控えていると困ってしまう。もちろん原因となる疾患に対するきちんとした治療も重要だが、当面の対応として鎮痛が優先される。月経痛は無理に我慢する必要なく、市販の鎮痛剤から服用開始してよい。効果がなければそれより強い薬剤は医師に処方してもらう。鎮痛剤が効かないか、むかつきなどの副作用が強い場合には次の手として避妊に使われる低用量ピルの副効用を用いる。あわせて月経調整効果、月経量調節効果も期待できる。もちろん本来の避妊効果も得られる。重要な仕事を控えていて、月経日に当たりたくないときは月経日の調整移動を考えてよい。旅行のための月経日変更が行われる現在、重要な仕事や試験のために月経日を移動することは選択肢の一つだろう。Bさんは医師に鎮痛剤を処方してもらったが、以後は低用量ピルで月経痛の軽減することを考えている。 日本経済新聞 2007年5月22日夕刊掲載 |