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■ 尖型コンジローマ −冷凍凝固や電気凝固で治療−2006. 7. 11

OLのCさん(24)は以前からできている外陰部のいぼ状のできものが気になる。痛みもないし,おりものも異常がない。しかし、性交渉、妊娠分娩に対する影響について心配になり産婦人科を受診した。
外陰部に独特のいぼ状やカリフラワー状、鶏冠状の隆起性病変が出現する場合がある。尖型コンジローマという。少しずつ局所で増殖してゆく。原因はヒトパピローマウイルス(HPV)だが、潜伏期間は3ヶ月から8ヶ月と長く、感染した時期を特定するのは難しい。感染期間は3ヶ月から数年といわれる。 HPVは良性型と悪性型に分けられる。コンジローマの大半は良性型の感染で病変は主に外陰、膣、子宮頚部、肛門周囲に多発する。日本では冷凍凝固や電気凝固、レーザーによる切除、外科的手術が行われる。治療期間中は性交時にはコンドームを使用する。治療後再発を観察するために最低3ヶ月経過を見る必要がある。HPVには子宮頚がんの原因になるタイプもある。あわせて子宮頚がん検査も定期的に行う。病変は妊娠すると増えることもあり、分娩後軽快することもある。分娩の際の産道感染で新生児に多発性咽頭乳頭腫を発病する危険性はあるが、その確率はきわめて低い。分娩や裂傷修復の妨げにならない限り、帝王切開が行われることは少ない。Cさんはすぐに近くの病院で電気凝固してもらった。今のところ再発はしていない。

日本経済新聞 2006年7月11日夕刊掲載