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■ 月経日移動 −中用量ピル 服用時相談を− | 2004. 6. 15 |
OLのCさん(32)はキャリアウーマンで海外出張も多い。月経中に強い下腹痛がありボーっとすることがある。海外での大事な商談に月経があたることがわかり、何とか月経日を移動できないかと産婦人科に相談に来た。 仕事、旅行、スポーツその他の理由により月経を移動させる必要がある場合、性ホルモンを用いて調節できる。用いるホルモンは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の合剤いわゆる中用量ピルである。月経移動の方法は月経を遅らせる方法と月経を早める方法がある。いずれの場合も最近の月経開始日や月経周期、次回の月経の予定、月経を避けたい時期などに関する問診から適切な服用開始時期と日数を指導してもらう。月経を遅らせるためには黄体期を延長させる。予定月経の少なくとも3日前(できれば5日前)から必要な期間服用する。1週間以上遅らせる場合途中で少量出血する場合があり、その場合は内服料を2倍にする。内服を終了すると2−5日程度で月経が起こり、次の月経はその出血を月経開始として通常通り1ヵ月後に起こる。月経を早めるには排卵を抑制する。月経開始から5日目までに来院指導を受けることが必要である。月経5日目より服用開始、少なくとも10日以上続け、月経のこさせたい日の3−5日前まで服用する。卵胞発育が始まっている場合には失敗する場合もあるので、確実な服用法が守れる場合のみ選択する。 日本経済新聞 2004年6月15日夕刊掲載 |